こっぴどいフラれ方をして唖然としていたリリザが、キィッと金切り声をあげた。
「ムカつく、ムカつく! なんでリリザじゃないのよ! サマラなんか赤毛のモジャモジャだし意地悪な顔してるし、ちっとも可愛くないのに! リリザの方が絶対可愛いのに!!」
地団駄を踏みながらサマラを罵るリリザを見て、サマラは顔色を変えて慌てる。ここで彼女を怒らせては駄目だ、計画が台無しになる。
「ち、違うわ、リリザ。レヴは私を親友として好きなだけで――」
しかし取り繕おうとした台詞は、サマラの計画など知らないレヴの「ちげーよ! 俺は女としてサマラが好きなんだよ! こんなこと言わせんな馬鹿!」という素直な言葉で遮られる。そのことがますますリリザの怒りに火を着けた。
「もーっ!! イチャついてんじゃないわよ、馬鹿! レヴの悪趣味! あんたなんか処刑にでもなんでもなっちゃえ!」
怒り狂ったリリザは手に握りしめていた小瓶をレヴに向かって投げつけた。
レヴの頭にぶつかった拍子に蓋が開き、中に入っていた赤色の液体が飛び散る。
「ちょ、ちょっと! 何をぶつけたのよ!?」
驚いてサマラはリリザの手を掴み問い詰めた。まさか毒じゃあるまいなと焦ったが、リリザはケロッとしながら「ああ、あれ? リリザ特性の魔力増強剤。奇跡の光なんて使ったことないから、念のため一応持ってきたの」と答えた。
一瞬ホッとしたものの、サマラは転がった小瓶を見てゾッと全身に鳥肌を立てる。
(見たことある……! これって――)
前世の記憶が蘇る。『魔法の国の恋人』のクライマックス、サマラの断罪イベントのムービーが脳裏に映し出された。
「ムカつく、ムカつく! なんでリリザじゃないのよ! サマラなんか赤毛のモジャモジャだし意地悪な顔してるし、ちっとも可愛くないのに! リリザの方が絶対可愛いのに!!」
地団駄を踏みながらサマラを罵るリリザを見て、サマラは顔色を変えて慌てる。ここで彼女を怒らせては駄目だ、計画が台無しになる。
「ち、違うわ、リリザ。レヴは私を親友として好きなだけで――」
しかし取り繕おうとした台詞は、サマラの計画など知らないレヴの「ちげーよ! 俺は女としてサマラが好きなんだよ! こんなこと言わせんな馬鹿!」という素直な言葉で遮られる。そのことがますますリリザの怒りに火を着けた。
「もーっ!! イチャついてんじゃないわよ、馬鹿! レヴの悪趣味! あんたなんか処刑にでもなんでもなっちゃえ!」
怒り狂ったリリザは手に握りしめていた小瓶をレヴに向かって投げつけた。
レヴの頭にぶつかった拍子に蓋が開き、中に入っていた赤色の液体が飛び散る。
「ちょ、ちょっと! 何をぶつけたのよ!?」
驚いてサマラはリリザの手を掴み問い詰めた。まさか毒じゃあるまいなと焦ったが、リリザはケロッとしながら「ああ、あれ? リリザ特性の魔力増強剤。奇跡の光なんて使ったことないから、念のため一応持ってきたの」と答えた。
一瞬ホッとしたものの、サマラは転がった小瓶を見てゾッと全身に鳥肌を立てる。
(見たことある……! これって――)
前世の記憶が蘇る。『魔法の国の恋人』のクライマックス、サマラの断罪イベントのムービーが脳裏に映し出された。



