「嫌だ。お前らが何考えてるか知らねーが、俺はリリザのことが好きじゃない。普段からリリザの甘ったれやドジには辟易してたけど、こんなときに弱みにつけこむような告白なんかされて、俺は絶対お前を好きにならないって確信した」
レヴはレヴだ。危機に陥ったところで、自分の心を曲げるような卑屈さを持ち合わせてはいない。
きっぱり言い切ったレヴの言葉に、ヒロイン然としていたリリザの顔が引きつる。
「それに」とレヴは言葉を続けると、奥に立つサマラにまっすぐ視線を向けた。
「俺はサマラが好きだ。子供の頃からずっと」
陰鬱な地下に響いた力強い声に、サマラの胸がぎゅっと締めつけられた。
鼓動が加速する。彼のために捨てなくてはいけない恋心が目を覚ましたように、体中が熱くなった。
「サマラに出会うまで楽しいことなんてひとつもなかった。毎日クソジジイたちに囲まれて魔法の実験ばっかりさせられて操り人形みたいに生きてた俺が、サマラに会って初めて『また会いたい』って、『そばにいたい』って思えたんだ。会えたら嬉しくて、一緒にいたら楽しくて、もっと一緒にいたいって……人間みたいな気持ちを持つことが出来たんだ」
「……レヴ……」
幼い日から今日までの思い出が、本のページを捲るようにサマラの心に甦る。
サマラにとってもレヴはずっと特別な存在だった。初めての『友達』と呼べる存在で、前世でも経験したことのない胸のときめきや喜びを教えてくれた人。
「レヴ。わ、私……」
思わず本当の想いが口から零れそうになる。けれどサマラは唇を噛みしめてこらえた。
そのとき。
「馬鹿みたい! ふざけないでよ!」
レヴはレヴだ。危機に陥ったところで、自分の心を曲げるような卑屈さを持ち合わせてはいない。
きっぱり言い切ったレヴの言葉に、ヒロイン然としていたリリザの顔が引きつる。
「それに」とレヴは言葉を続けると、奥に立つサマラにまっすぐ視線を向けた。
「俺はサマラが好きだ。子供の頃からずっと」
陰鬱な地下に響いた力強い声に、サマラの胸がぎゅっと締めつけられた。
鼓動が加速する。彼のために捨てなくてはいけない恋心が目を覚ましたように、体中が熱くなった。
「サマラに出会うまで楽しいことなんてひとつもなかった。毎日クソジジイたちに囲まれて魔法の実験ばっかりさせられて操り人形みたいに生きてた俺が、サマラに会って初めて『また会いたい』って、『そばにいたい』って思えたんだ。会えたら嬉しくて、一緒にいたら楽しくて、もっと一緒にいたいって……人間みたいな気持ちを持つことが出来たんだ」
「……レヴ……」
幼い日から今日までの思い出が、本のページを捲るようにサマラの心に甦る。
サマラにとってもレヴはずっと特別な存在だった。初めての『友達』と呼べる存在で、前世でも経験したことのない胸のときめきや喜びを教えてくれた人。
「レヴ。わ、私……」
思わず本当の想いが口から零れそうになる。けれどサマラは唇を噛みしめてこらえた。
そのとき。
「馬鹿みたい! ふざけないでよ!」



