燭台しか明かりのない空気の濁った空間。四つの牢屋のうちみっつは空で、壁から赤茶けた汚れのついた拘束具が垂れ下がっていた。
あまりに薄気味悪い雰囲気にリリザは「うわ……」と顔をしかめていたが、サマラは最奥の牢に人影を見つけるとたまらず駆け出した。
「レヴ……! レヴ!」
鉄格子を掴んで思わず叫ぶ。
そこには手足を鎖で壁に繋がれているレヴが、項垂れて立っていた。
暗くてよく見えないが、顔は死人のように青白い。あまりに惨いその姿に、サマラは胸が潰れそうになりながら「レヴ! レヴ! 助けに来たよ!」と叫び続けた。
「……サマ、ラ……?」
サマラの呼びかけが届いたのか、レヴはゆっくりと頭を上げる。
その顔に生気はなかったが、サマラの姿を見止めた瞬間、瞳に光が蘇っていった。
「サマラ……? お前、どうしてここに……」
「助けに来たのよ! ここから出してきっとあなたを……自由にしてあげる」
サマラは祈るようにそう言うと、覚悟を決めるように口を噤んで牢から離れた。
そして入れ替わるようにリリザが牢の前へとやって来る。
「レヴ、大丈夫? 今リリザが助けてあげるからね」
「は?」
けなげそうに瞳をキラキラさせながら登場したリリザに、レヴは事態が呑み込めないとばかりにキョトンとしている。
「おい、サマラ。なんでリリザまでいるんだ?」
レヴが呼びかけるが、サマラは離れた場所で見ているだけで答えない。代わりに答えたのはリリザだ。
「だからー、リリザが助けてあげるんだってば。レヴが私のこと愛してくれれば、リリザが奇跡を起こしてあげるの」
あまりに薄気味悪い雰囲気にリリザは「うわ……」と顔をしかめていたが、サマラは最奥の牢に人影を見つけるとたまらず駆け出した。
「レヴ……! レヴ!」
鉄格子を掴んで思わず叫ぶ。
そこには手足を鎖で壁に繋がれているレヴが、項垂れて立っていた。
暗くてよく見えないが、顔は死人のように青白い。あまりに惨いその姿に、サマラは胸が潰れそうになりながら「レヴ! レヴ! 助けに来たよ!」と叫び続けた。
「……サマ、ラ……?」
サマラの呼びかけが届いたのか、レヴはゆっくりと頭を上げる。
その顔に生気はなかったが、サマラの姿を見止めた瞬間、瞳に光が蘇っていった。
「サマラ……? お前、どうしてここに……」
「助けに来たのよ! ここから出してきっとあなたを……自由にしてあげる」
サマラは祈るようにそう言うと、覚悟を決めるように口を噤んで牢から離れた。
そして入れ替わるようにリリザが牢の前へとやって来る。
「レヴ、大丈夫? 今リリザが助けてあげるからね」
「は?」
けなげそうに瞳をキラキラさせながら登場したリリザに、レヴは事態が呑み込めないとばかりにキョトンとしている。
「おい、サマラ。なんでリリザまでいるんだ?」
レヴが呼びかけるが、サマラは離れた場所で見ているだけで答えない。代わりに答えたのはリリザだ。
「だからー、リリザが助けてあげるんだってば。レヴが私のこと愛してくれれば、リリザが奇跡を起こしてあげるの」



