(悪役令嬢として生まれ変わったくせに、あれこれ高望みしすぎたからバチがあたったんだ。私をこの世界に生まれ変わらせた神様がどんなものかはわからないけど、きっと神様はサマラが破滅フラグから逃げようとしたあげく、いっちょまえに恋なんてして幸せになろうとしたから、怒って私からレヴを取り上げたんだ)
ギュッと抱きしめた枕からはカモミールの香りがする。心を落ち着ける効果があるその香りも、今日ばかりは意味がない。
サマラは枕を抱きしめたまま、ゴロリと寝返りを打った。
(今ならディーが私とレヴの交流にあれほど反対してたのもわかる。ディーは私にレヴの正体を……自分の過去の過ちを知られたくなかったんだろうな。それとも、私がDanuと関わりを持たないように注意してたのかな。……きっとどっちもだ。……どうして私はディーの言うことをちゃんと聞かなかったんだろう……)
過去の過ちを娘に打ち明けねばならなかったディーも、きっと苦しかっただろう。
そう考えるとサマラはますます自分の行いを責めたくなる。前世の記憶のせいで大人としての理性も持っていると自負していたが、とんだ思い上がりだったようだ。
自分が欲求のままに行動したせいで、ディーを傷つけレヴをも失いそうになっている。前世と合わせたらもう四十年近く生きているというのに、情けなくて涙が出てきた。
(ほんっとに……! せっかく前世の記憶があってもこんなんじゃ意味ないじゃん! 私の馬鹿、馬鹿!)
湧き上がる怒りに再び寝返りを打ったときだった。
「あれ……?」
ギュッと抱きしめた枕からはカモミールの香りがする。心を落ち着ける効果があるその香りも、今日ばかりは意味がない。
サマラは枕を抱きしめたまま、ゴロリと寝返りを打った。
(今ならディーが私とレヴの交流にあれほど反対してたのもわかる。ディーは私にレヴの正体を……自分の過去の過ちを知られたくなかったんだろうな。それとも、私がDanuと関わりを持たないように注意してたのかな。……きっとどっちもだ。……どうして私はディーの言うことをちゃんと聞かなかったんだろう……)
過去の過ちを娘に打ち明けねばならなかったディーも、きっと苦しかっただろう。
そう考えるとサマラはますます自分の行いを責めたくなる。前世の記憶のせいで大人としての理性も持っていると自負していたが、とんだ思い上がりだったようだ。
自分が欲求のままに行動したせいで、ディーを傷つけレヴをも失いそうになっている。前世と合わせたらもう四十年近く生きているというのに、情けなくて涙が出てきた。
(ほんっとに……! せっかく前世の記憶があってもこんなんじゃ意味ないじゃん! 私の馬鹿、馬鹿!)
湧き上がる怒りに再び寝返りを打ったときだった。
「あれ……?」



