「……今は王宮の地下牢で拘束されている。アレの存在は王国の特秘だ。それが闇魔法を発動してしまったせいで他国にその存在を露見しそうになっている。人工的に魔法使いを生み出したことも、闇魔法を使ったことも、他国に知られればバリアロス王国は大きな批難を受けるだろう。そうなる前に証拠を――アレそのものを消せと国王は俺に命じるはずだ」
次々に襲い来る残酷な現実に、サマラはどう抗っていいかもうわからない。
(こんなことになるのなら、あのときレヴと一緒に国を出て逃げればよかった。……ううん、私と出会ってしまったからレヴはたくさんのことを望むようになっちゃったんだ。私たち、出会うべきじゃなかったの……?)
後悔ばかりが頭に浮かぶ。運命を分けた選択はどれだったのだろう。考えても答えなど出ないとわかっても、今のサマラには悔やむことしか出来なかった。
「お願い……。お父様、お願い。もう一生わがままもおねだりもしません。贈り物も新しいドレスも靴もひとつもいりません。言いつけは必ず守ります。一生屋敷から出なくても構いません。だからお願い……レヴを助けて……」
顔を覆って泣きながらサマラは訴える。
その言葉に偽りはない。レヴを救うことが出来るのなら、他にもう何もいらない。
けれどその願いに、ディーが頷くことはなかった。
(……きっとバチがあたったんだ……)
自室に戻ってからサマラは、ずっとベッドに寝そべったままぼんやりと考えている。
尽きぬと思っていた後悔は日付が変わる鐘が鳴る頃、自責の念へと変わっていった。
次々に襲い来る残酷な現実に、サマラはどう抗っていいかもうわからない。
(こんなことになるのなら、あのときレヴと一緒に国を出て逃げればよかった。……ううん、私と出会ってしまったからレヴはたくさんのことを望むようになっちゃったんだ。私たち、出会うべきじゃなかったの……?)
後悔ばかりが頭に浮かぶ。運命を分けた選択はどれだったのだろう。考えても答えなど出ないとわかっても、今のサマラには悔やむことしか出来なかった。
「お願い……。お父様、お願い。もう一生わがままもおねだりもしません。贈り物も新しいドレスも靴もひとつもいりません。言いつけは必ず守ります。一生屋敷から出なくても構いません。だからお願い……レヴを助けて……」
顔を覆って泣きながらサマラは訴える。
その言葉に偽りはない。レヴを救うことが出来るのなら、他にもう何もいらない。
けれどその願いに、ディーが頷くことはなかった。
(……きっとバチがあたったんだ……)
自室に戻ってからサマラは、ずっとベッドに寝そべったままぼんやりと考えている。
尽きぬと思っていた後悔は日付が変わる鐘が鳴る頃、自責の念へと変わっていった。



