ニクス特有の美貌は相変わらずなので、初めて見た女性はマリンのイケメンぶりにときめいたりもするが、その正体がニクスで使い魔だと知ると皆がっかりするのだった。
幼い頃から一緒に居るのでサマラにとっては弟のようなものだけど、さすがに美青年になった今でも裸で水遊びに誘われるのは困る。もちろん年頃になったサマラが無邪気に水遊びをする訳もないが、マリンにすっぽんぽんになられても目のやり場に困るのだ。
「マリン、ご飯いらないの? 全部食べちゃうよ」
「待って、待って! 僕も食べる!」
なかなか湖からあがってこないマリンに声をかければ、彼は飛沫を引き連れながら勢いよくほとりまでジャンプしてきた。
妖精なので食事を摂る必要もないが、マリンは好奇心旺盛で食いしん坊なのでサマラと同じ物を食べたがる。
マリンが跳ね上げた飛沫でサマラがぐっしょりと濡れ、「もー!」と怒ったときだった。
突然強風のように悪寒が全身を駆け抜け、同時に体の全機能が急速に低下したような苦痛に襲われた。
「……あ、ぁ……っ!?」
体が冷え呼吸が苦しくなり、サマラはその場にうずくまる。
目の前で、サンドイッチにかぶりつこうとしていたマリンが倒れて血を吐き、苦痛に顔を歪めながら体を痙攣させていた。
「マリン……、マリン……! 大丈夫……!?」
サマラはマリンに取り縋って叫ぶ。サマラの体調はだんだんと回復してきたが、マリンは変わらず苦しそうで、今にも呼吸が止まってしまいそうだ。
いったい何が起きたのかわからなかったが、サマラは自分の中の魔力がほとんどなくなっていることに気付いてハッとした。
幼い頃から一緒に居るのでサマラにとっては弟のようなものだけど、さすがに美青年になった今でも裸で水遊びに誘われるのは困る。もちろん年頃になったサマラが無邪気に水遊びをする訳もないが、マリンにすっぽんぽんになられても目のやり場に困るのだ。
「マリン、ご飯いらないの? 全部食べちゃうよ」
「待って、待って! 僕も食べる!」
なかなか湖からあがってこないマリンに声をかければ、彼は飛沫を引き連れながら勢いよくほとりまでジャンプしてきた。
妖精なので食事を摂る必要もないが、マリンは好奇心旺盛で食いしん坊なのでサマラと同じ物を食べたがる。
マリンが跳ね上げた飛沫でサマラがぐっしょりと濡れ、「もー!」と怒ったときだった。
突然強風のように悪寒が全身を駆け抜け、同時に体の全機能が急速に低下したような苦痛に襲われた。
「……あ、ぁ……っ!?」
体が冷え呼吸が苦しくなり、サマラはその場にうずくまる。
目の前で、サンドイッチにかぶりつこうとしていたマリンが倒れて血を吐き、苦痛に顔を歪めながら体を痙攣させていた。
「マリン……、マリン……! 大丈夫……!?」
サマラはマリンに取り縋って叫ぶ。サマラの体調はだんだんと回復してきたが、マリンは変わらず苦しそうで、今にも呼吸が止まってしまいそうだ。
いったい何が起きたのかわからなかったが、サマラは自分の中の魔力がほとんどなくなっていることに気付いてハッとした。



