よく分からない部とは言えど、ちゃんと活動はしている。


季節ごとに夜の屋上で天体観測を行ったり、部活動や学校行事の写真撮影を行ったり、校内の花壇の手入れをしたり…。


名前に見合った活動はしている。


時々関係ない雑用をやらされたりするのだけれど。


鞄を起き席に座ると、丁度顧問の先生がやってくる。


「丁度全員揃ってるな。早速、今日の活動についてだが」


彼は清水 貴史(しみず たかふみ)、古文担当の教師でこのTSE部の顧問である。


中々のハンサムな顔立ちは、教師からも生徒からも人気のようだ。


「今日は、残念ながら雑用を行ってもらう」


「えー、また押し付けられたんですか〜」


杏が項垂れる。


「いや、まあ、大人の事情でな…。それで内容だが、化学準備室と資料室の整理をして欲しいそうだ」


「てことは、分担した方が良さそうですね」


「そこは俺の独断で勝手に決めさせてもらった。化学準備室には、葉山と榎本と上嶋、資料室には相沢と飯倉と俺が担当する。どうだ」

相沢は私の苗字である。


「僕は異論ありません」


真っ先に柊部長が言う。

全員が承諾すると、それぞれに別れて作業を行うこととなった。