「その手は?」 「……お前慣れないヒールで危なっかしいから。手繋いでやんよ」 「えー、大丈夫だってー」 こんなに紳士的な佐良なんて初めてだから、なにか裏があるんじゃないか、って思ってしまう。 「俺のせいで怪我したらたまったもんじゃねえよ。ほら、いくぞ」 手を繋いだとき、若干佐良の顔がいつもよりも赤く見えたのは気のせい? それともーー。