* * *


「───おばあちゃん、また来るね」


病室のドアをゆっくり閉めながらバイバイと手を振った。




学校から電車を使って約30分。


私は東條大病院に入院しているおばあちゃんに会いに来て、たった今帰るところ。


おばあちゃんは私が思ったよりも元気そうで、お母さんのこととか学校のこととか結叶のこととか、たくさん話した。




……楽しかったなぁ。


おばあちゃんは私が小さい頃からおしゃべり好きで、よく色々な話を聞かせてもらった記憶がある。


でも、私がだんだん成長するにつれ、私の話を聞きたいって言ってくるようになって、今では主に私が話す側、おばあちゃんが聞く側だ。


病院の廊下を歩きながらさっきまでのことを思い出してちょっぴり笑みが溢れた。