生きていこう。それがいいんだ。



履歴書も連絡先交換も、
本名を教える事も無く、

ノルマがあるわけでも無く、“撮れ高”が出来たら一方的に私が持ち込んで、

A子として報酬を受け取る仕事。


ゲームセンターでプリを撮りにきた女子高生。プールサイドで無邪気に遊ぶ中学生。

満員電車で眠たそうにコックリするOL。ショッピングモールにいる幅広い年齢層。


いつ切っても,切られてもいい関係で稼いだバイト代のおかげで、

なんとか19歳になった今まで、
“ただ生きるだけ”は継続できている。



「・・・・・・・・・・。」


生きる目的が無いんだから、
“罪悪感”なんてものは無かった。


こんな世界、消えて無くなってしまえばいいと願ってるから、

被写体の相手の気持ちなんてどうでもよかった。


こんな人生、早く終わってしまえばいいと願ってるから、

いつ警察に捕まろうが怖くなかった。



“あんたなんて生まれてこなければ良かった”


でも、この世で最も憎い相手には最期の時まで徹底的に抵抗してやる。

“負けた”と思われるのがイヤだから、
“逃げた”と思われるのがイヤだから、

自殺だけは考えなかった。
私はどんな手を使っても生き続けてやる。


それだけは強くこの心に刻み、“意味”なんて無いまま生き続けた今日までの日々・・。