15歳から独りで生きていく為には、
とにかくお金が必要だった。
でも・・絶対に自分の体は売りたくなかった。
母親のように“女”を武器にして、
結果ズブズブと醜い人間関係を築くなんて絶対にイヤだった。
でも地道に時給を稼ぐアルバイトではやっぱり首が回らなくなって、
通信制でも定時制でもなんでも、
“独力で高校に通えたら”なんて淡い希望は一瞬にして溶けて無くなって、
今の私は、ただ生きる為だけに、
この仕事を続けている。
「・・・・・・・・・・・。」
バイト先のラーメン屋によく来ていた竜さん。
一緒に来てた下っ端の人との会話から、
あの人がただの金融屋じゃなくて、ヤバい職にも手を出している人だと知って・・
その中の一つで“アダルトビデオ”の制作会社とも繋がりがあると分かって、
「私は絶対出演無理だけど、
何かバイト無いですか?」
豚骨ラーメン脂マシマシを持って行った時、思い切って竜さんを頼った。
「警察に捕まってもウチの名前は出すなよ?」
「はい。」
「保険はかけとく。
何かあったら“こんな女知りません”ってお前との繋がりをしらばっくれられるように、
今日からお前は“A子”だ。」



