「さっさとお金ちょうだい。」
「あいよ。はいご苦労様でした。」
「・・・・・少なくない?」
「しばらくこれで勘弁してくれや。
こっちの業界も不況なんだよ。」
「分かった。ありがとう。頂きます。」
「ヒャヒャヒャ。
A子は物わかりが良くて助かるぜ。
ギャラ釣り上げてくるどっかのアホ女にその爪の垢を煎じて飲ませてやりてぇ。」
「竜さんってアホそうに見えるけど、
ことわざ知ってるんだね。」
「ヒャヒャヒャ!
あ、夏になったらまた頼むぞ。
夏休みのゲーセンに、プール。
かき入れ時だからなぁ。」
「撮れたらまた来る。」
「・・お、まぁ待てA子。」
「・・・・・・・・。」
「どうせ夜飯まだなんだろ?
まぁこれで美味いもんでも食っとけ。」
「ありがとう。」
封筒の中に入る何十人もの福沢諭吉は鞄へ。竜さんが差し出した福沢諭吉3人は財布へ。
それぞれしまって、事務所を出た。
「・・・・・・・・。」
どうしてみんな・・
“盗撮=男の犯罪”って油断するんだろう。
そのおかげで私の“仕事”は滞りなく進むからいいんだけど。



