「でも残念ながら馬鹿息子に関しては、
“未遂”で終わっちゃったんだよねぇ。
背後から忍び寄って、
奴の背中を刺そうとした瞬間・・
【風船を持った女の子】が現れたんだ。」
「・・・・・え・・待って。
状況がよく分かんない。」
「奴が一人になるタイミングとはいえ、
これで最後だから捕まってもいいと吹っ切れていたとはいえ、
“夜”じゃなくて“白昼堂々”、
殺そうとした俺が悪いんだけど・・
きっと、お母さんと一緒に遊園地かどこかで遊んだ帰りだったと思うんだけど、
無邪気に風船を片手に持って、
駆けてくる女の子が現れた。」
「・・・・・・・・・・。」
「俺・・躊躇しちゃったんだよね。
この子の目の前で、
今から俺が馬鹿息子の背中刺して、
倒れ込む奴の全身へ追い討ちで振り下ろして、
血が吹き出る所を目撃させる事になるのかって・・
そんな事したら、この子の一生のトラウマになるかもしれない・・ってね。」
「それで・・結局殺せなかったの?」
「おかげで、背後からのただならぬ雰囲気を感じ取られたのか知らないけど、
馬鹿息子が後ろを振り返って顔を見られた。
・・・驚いたことに、
奴は俺の事を知ってた。
まぁそれまでに、自分の悪仲間2人が不審死を遂げてたから、
“次は自分だ”ってビビって、“自分が殺した女の兄貴”の情報ぐらいは探ってたって所かな。」



