もう手遅れかとおもった_

「美紅!!」

そう叫ぶと美紅が驚いた表情でこっちを見る。

『ハァハァッ…行くな、美紅。頼む』

頼むから桐谷のほうに行くな…!

「…先輩、私は居なくなりませんよ?」

え?
一瞬フリーズした。

どういうことだ?

1人で固まっていると美紅はクスッと笑い、桐谷の方へと向き直った。

「裕也、ごめん。わたし遥人先輩が好きなの。だから…裕也の気持ちには応えられない」

…幻聴かとおもった。
けどハッキリ美紅の口から告げられている。

「そう簡単に振り切れねぇけど、また幼馴染としてよろしくな」