大丈夫?辛くない?
そう言葉をかけたかったのに、私は気がつけばいつもの通りだった。

「…どこが、悪いの?」
『ん?あー、ちょっと喘息をこじらせたみたいでさ』
「…そう。その、治るの?」
『治るってば!安心しろよ、しけた顔すんな笑』

そう笑って見せた。
それから見舞いに行くたび、恭平は何か勉強しているようだった。
いや、勉強と言うよりかは文字をひたすら書いていた。

「何してるの?」
『んー、秘密』
「明日検査でしょ?無理したら入院延びるよ」
『…あー、うん。そうだな笑』
「あ、ねえねえ緑川先生おぼえてる?恭平の高2の頃の担任の先生!」
『おお!懐かしいな』