「今日で悠太もこの家出てっちゃうのか」
『ふふ、そうだね。寂しい?』
「寂しくなるなぁ」
『かわいい』

今日は門出の日。
俺が紗季の家を出て、新しい所へ行く。
夏にまたここへ戻ってくるけど、
しばらくの間はここには帰って来られないから。

「ここで色んなことしたね」

そうだった。沢山沢山お話したね。

「1回さ、悠太べろべろに酔っ払ってここの廊下で寝たことあったよね笑」
『そんとき背中痛めて大変だったんだから、』
「そのせいで背中痛めて次の日泣いてたよね笑」
『いや、今それ言ったわ笑』

こうやって、少しずつ話が噛み合わなくなるのもしょうがないことなのかって。
やっぱり思い知らされるね。