「………帰ろう」
「………はい」
平林繭香、大谷瞬、蜂谷隆平、中原葵の4人は、屋敷を出て歩き始めた。
ずっと外に出ていなかったため、やたら日差しが眩しく感じる。
そしてずっと使えなかったスマホも、使えるようになった。
みんな沈黙の中、黙々と歩いていく。
3人の遺体は、警察を呼び、処理してもらうことにした。
こうしてわたしたちの、長いようで短い、屋敷での生活が終わった。
「………皆さん、お元気で」
「………ああ」
「………本当に、最悪な出来事でした」
「そうだな。………この先忘れることは、できないだろう」
「………はい。そうですね」
「………わたしもです。大河内さんとみんな分まで、生きていきます」
「………そうだな」
「………気を付けて帰れよ、みんな」
「はい。皆さんも、お気を付けて………」
ーーーこうして4人は、事件のことを胸にしまい、それぞれの方向へと歩き出した。
こうしてこの事件は、静かに幕を閉じた………。
【END】



