「………蜂谷さん………」

蜂谷さんの手を握り、目を覚ますのをただ待つしかできない。





「………江川くんが殺されて、残るはわたしたちだけになったってことだよね」

「…………」

「…………」





平林繭香がそう言うと、ふたりとも黙ったままだった。

平林繭香には、犯人が分かっていた。




だけどそこを追求することなんて、今のわたしにはできない。

そしそんなことをすれば、今ここで殺されるからた。




「……あの、中原さんとふたりにしてもらっていいですか?ちょっと相談したいことがあるの。女同士じゃないと、ちょっと話しにくいから」

「……わかった。何かあったら言ってくれ」

「ありがとう」




大谷瞬は、部屋を出ていった。

わたしは、中原さんに小さい声で話し始めた。





「……あのね、中原さん」

「どうしたの?相談事って………?」

「………静かに聞いてほしいの。何も言わずに」

「………え?」