「……えっ?」
「どういうこと?」
「……蜂谷くん、犯人が分かったの?」
「ああ。分かった」
「えっ?本当に?」
「ああ」
「教えろ!犯人は誰なんだよ!?」
「……それは言えない」
「おい蜂谷!!」
蜂谷隆平が、部屋を出ていく。
その後を、誰も追いかけることはなかった。
「……平林、お前何か知らないのか?」
「……知らないよ、何も。教えてくれなかった」
「そうか……平林には、何か話してると思ったんだけどな」
「ううん。誰にも教えないって言ってたから……」
「……そうか」
「この答えを知るには、あいつの言うとおり、夜まで待つしかないな」
「……そうですね」
みんなは夜になるのを、ひたすら待つことにした。
蜂谷隆平の言うとおりなら、今夜一人誰かが殺される。
それが誰なのか、本人以外誰も知らないのだ。
つぎに殺されるのは、いったい誰なのか?
きっと、その答えは、誰にも分からない。



