「この事件には、もう一人関わってる人がいる」
「関わってる……人……?」
「教えろ!それは誰だよ!?」
「言えない」
「なんでだよ!?教えろよ!」
「もしこれを言えば、犯人はきっと、今ココで殺すだろう」
「えっ、殺すって……?」
「おい。どういうことだよ!俺たちの中に犯人がいるっていうのかよ!?」
「……そうだ。この中に犯人はいる」
蜂谷隆平は、苦しそうにそう言うと、唇を噛み締めた。
ーーー本当は、言いたくなんてなかった。
「えっ……本当なの……?」
「本当だ。俺が見つけた証拠に、その犯人の名前がある」
「えっ!?」
「おい!それはなんだ!見せろ!!」
「いや、ここにはない」
「はぁ!?ないってなんだよ!!」
「……それを知ってるのは、犯人と俺だけだ」
「……えっ!?犯人も……?」
「そうだ。犯人もその場所を知ってる。知らないふりをしているだけだ」
「なんでわざわざそんなことするんだよ!!」



