「おはよ、平林」
「おはようございます」
翌日、ベッドから起き上がりリビングへと向かった蜂谷隆平と平林繭香は、同じく全員いることを確認した。
リビングのイスへと腰掛けて、蜂谷隆平は考えていた。
なぜ、昨日は誰も殺されなかった?
予定通りなら、昨日本当は誰かが殺されていたはず………。
なのに、誰も殺されていなかった。
なぜだ?なぜ犯人は、誰も殺さなかった?
ーーーーまさか。
俺がこの事件の真相を掴んだことに、気づいたのか?
いや、そんなわけはない。
誰にもこのことは言っていない。
知られるはずはない。
しかし、そうなったことが分からない。
「……昨日は誰も殺されなかったんだな」
そう呟いたのは、江川真弘だ。
「……みたいですね」
「そもそも、事件は解決したんじゃないのか?」
「いや、まだだ」
「まだって、どうして分かるんですか?そんなこと……」



