中原葵と江川真弘の部屋だ。
鍵は開いていたため、そっとなかに入る。
音を立てないように静かに近づき、寝ているふたりに近づいた。
江川真弘も、ベッドの上で寝ていた。
そして中原葵も、ベッドの上で熟睡していた。
「……え?どういうことですか……?」
「……さっぱり、分からない。何がどうなってるんだ?」
「だって今日、もう一人殺されるはずじゃ……」
「……いや、やっぱり俺の勘違いだったのかもしれない」
今日殺人が起きないのなら、これ以上起きることはないということだ。
しかしそうなると、明日にはこの屋敷を出られるということか?
「……勘違いだと、いいんですけど」
「そうだな。とりあえず何事もなかったのは分かった。また寝よう。しっかり休める時に休んでおかないと」
「……そうですね。私たちも、寝ましょう」
「ああ。おやすみ」
「おやすみなさい」
平林繭香と蜂谷隆平は、部屋に戻り、また眠りについた。



