「恐らく、居たのは野上早智子だと思います。野上早智子の物と思われる衣服や、布団などがありました。10年経ってるのに、そこは空気に触れずに劣化しなかったため、とてもきれいな状態です」

「そこには、何があったんですか?」

「………殺人の、証拠です。彼女がやった殺人の、確かな証拠があります」

「えっ……!?」

「ほんとか!?」

「はい。この目で見ました。間違いありません」

「……元々この屋敷は、昔からここに住んでいた人がお偉い人で、野上早智子さんはこの屋敷に住み込みで働いていたみたいです。この屋敷の家政婦として。そしてその屋敷の主さんに、ある時彼女は襲われた。……そして気がついた時には、その主の子を身篭っていることに気づいたそうです。その子が島本さんだった」

「…………」

「その後、彼女は子供が出来たと主さんに伝えたようです。しかし認知してもらうどころか、この屋敷の家政婦をクビになり、この屋敷から追い出された」

「………そんな」