「ああ。恐らく、あの集団自殺を引き起こした張本人は、野上早智子だ」

「……っ!?」

「えっ!?」

「そしてあの日、恐らく島本翠もここにいたんだろう。……集団自殺の日、島本翠はこっそりこの屋敷を抜け出したおかけで、死なずにすんだって訳だ」

「……そういうこと、なんだ」

「たぶんだけど、野上早智子が、自分の子である島本翠を道連れにして死のうとしたんだろうな。だけどそれに失敗した」

「……だから他殺だって疑いがかかった」

「恐らくそうだろうな」

「……もしかして大河内を殺したのは、島本か?」

「その可能性は高いと思う。……だけど、島本を殺したのは誰だ?」

「……あたしたちの中に、犯人がいる……?」

「そうだとしか、考えられない」

「……そういえば、最初にあの資料を読んで、野上早智子さんの名前を口にした時、大河内さんが島本さんの顔を見てたよ」

「え?なんだって?」

「……その時に、大河内さんは、島本さんが野上早智子さんの娘だって、確信したのかも」