「……とにかく、この中に犯人がいるかもしれないんだ。とにかく、迂闊に手を出せば、俺達も殺されるかもしれない。犯人探しをするよりも、ここから出ることを考えたほうがいい」

そう言ったのは、蜂谷隆平だ。




「……そうですね。早くここから出ないと」

「ああ」



大河内すみれが殺されたことで、みんな距離を取るようになった。

必要以外の会話は一切せず、近付けば殺されるかもしれないという思いから、部屋から出ない他人もいた。




「……あの、わたし蜂谷さんと部屋一緒にしてもいいですか?」

「え?」

「大河内さんが殺されてしまった今、人数がちょうど分かれるので、2.2.2に分けたほうがいいんじゃないかと思って……」

「……たしかに、そうだな。平林、来てくれるか?」

「はい。よろしくお願いします」

「おい。お前正気か?コイツは大河内のことを殺した犯人かもしれないんだぞ?」

「大丈夫です。少なくとも、皆さんより冷静ですし」