部屋はそれぞれ2階にある部屋を隣通しで使うことにした。
すぐに何かあった時に避難できるように。
荷物を持ち、それぞれの部屋へと向かう。
後で合流しようと誓い、それぞれの部屋に入る。
101号室 大河内すみれ、蜂谷隆平
「よろしくお願いします、蜂谷さん」
「ああ。よろしくな」
「よかった。ベッドはちゃんと2つありますね」
「そうだな」
ベッドのそばに荷物を置き、ベッドに座った。
先に口を開いたのは、蜂谷隆平だった。
「大河内の父親、刑事だったんだな」
「……はい。もう引退しましたけど」
「そうだったのか」
「……はい。当時わたしはまだ中学生とかでしたけど、あの時のことはよく覚えています」
「まぁ、集団自殺だもんな。印象には残るよな」
「……父にとっては、最後の事件でしたし」
「最後?」
「はい。引退する前の、最後の事件だったんです」
「……そうだったのか」
「はい」



