するとその時。
ガタンッ!!と大きな音がした。
「きゃあああああ!!!」
「あっ、おい。何やってんだよ!!」
平林繭香は、音に反応して大きな声で叫び、江川真弘の腕にしがみついた。
それは、繭香が何かにぶつかったせいで、棚からはみ出ていた箱が落ちた音だった。
「ご、ごめん……びっくりしてつい」
「気を付けろよ。ったく」
「ご、ごめん……怖くて」
「ってかいい加減、離れろよ。邪魔」
「……ごめん」
平林繭香と江川真弘の相性は、抜群に悪い。
この二人の相性は、かなり悪いみたいだ。
ーーーーーー…
「ここは、空き部屋みたいね」
「ああ。この部屋には、特に何にも手掛かりになりそうなものはないな」
「そうですね。次行きましょう」
「そうだな。そうしよう」
江川と平林が部屋から出てきたその頃。
もう一組のペアが、空き部屋を見つけていた。
特に何もなかったため、そのまま部屋を出た。



