あれから数日が経った。私は久しぶりに屋上で神楽とお昼を食べていた。


「プールデート、か。まさにリア充イベントって感じでいいんじゃないか?それで、雨音は何をそんなに悩んでるんだ?」


「それは……」


神楽に、次の休みに片桐くんと勉強会をしてプールデートの相談をしていた。ただし、仮の彼女ってことは話していない。


「片桐にも意外と意地悪な部分があるんだな」


「まぁ、時々ね」


時々、なんてものじゃない。
片桐くんは誘いを断るとすぐに意地悪してくる。それも腹黒い笑顔を見せながら。


チャラ男だとか言われてるけど、実は腹黒なんじゃ……。でも、私が本当に困ってるときは助けに来てくれるんだよね。


そのことを神楽は知らない。


「勉強会は別に問題じゃないの。ただ、プールに行くときの、その……」


「水着がないんだな」


「うん」


さすが神楽だ。私がなにを言いたいか、すぐにわかってくれる。


「私も片桐くんに言われた翌日には、水着を買いに行こうとしたの。でも、あんな場所に陰キャの私が入れるわけない。しかも、1人だし……」


何度もお店に入ろうとしたが、足がすくんで結局は買わず今に至る。