「あんたはもともと、鈴が俺と結婚したのが気に入らなかった。違うか?」
『・・・。』
「早まるなって、鈴に何度も言ってたそうだな。あんたがどんなに男をとっかえひっかえして、遊びまわろうと、それはあんたの自由だ。あんたの恋愛観や結婚観に、俺が口をはさむ義理も権利もない。だがな、そんなあんたの人生の楽しみや価値観を鈴に押し付けたり、引きずり込もうとするのは、はっきり言って、大迷惑だ。」
『・・・。』
「あんたみたいな無責任な奴に、あいつの人生に口出しして欲しくない。いいか、あいつの人生は、俺の人生でもあるんだ。だって俺達は・・・少なくとも今はまだ、夫婦なんだ。お互いの人生のたった一人のパ-トナ-なんだ。あんたなんかと一緒の立場にされてたまるかよ!」
激しい言葉が、次々と口をついて出る。梨乃に対する憤懣が、相当溜まってんだなと、達也が我ながら驚いていると
『自分のだらしなさを棚に上げて、言いたいことばっかり、言わないで下さい。』
言われっ放しだった梨乃が、言い返して来た。
『私はあなたのことを、悪く言って、鈴とあなたの仲をどうこうしようとした覚えは全くありません。結婚に反対した覚えもない、まだ早いんじゃないの?もっと他の人を見てからでも、全然遅くないんじゃない?とは言いましたけど。そして今、現実にそうなりそうになってるじゃないですか?』
「・・・。」
『今回のことで、私は鈴を煽ったつもりなんか全然ない。私は鈴に相談されて、アドバイスを送っただけ。さっきも言いましたけど、私は友人として、鈴に幸せになって欲しいだけです。その為に、悔いのない選択をした方がいいよ、と言っただけです。確かに私は鈴に、あなたとこれからも一緒にいた方がいいとは言わなかった。でも、あなたと別れて、新しい彼と結ばれた方がいいと言った覚えもない。』
「・・・。」
『鈴があなたではなく、新しい彼を選んだのだとしたら、多分多くの非難を浴びるでしょう。それでも私は、彼女が自分の幸せの為に選んだ道なら、それが例え、世間の価値観を踏み外してたとしても、友人として応援して行きます。それ以上の思いはありません。私を今回の鈴の決断の黒幕みたいに言われるのは、はっきり言って迷惑です!』
そう言うと、梨乃は電話を一方的に切った。
(ふざけやがって・・・。)
梨乃の言い分には、腹が立った反面
(俺は所詮、鈴に直接、何も言えないで、いるヘタれ。結局、梨乃さんにやつ当たりしてるだけだよな。)
そんな思いも浮かぶ。
(俺って、ダサすぎるわ・・・。)
そう自嘲した達也は、大きくため息をついた。
『・・・。』
「早まるなって、鈴に何度も言ってたそうだな。あんたがどんなに男をとっかえひっかえして、遊びまわろうと、それはあんたの自由だ。あんたの恋愛観や結婚観に、俺が口をはさむ義理も権利もない。だがな、そんなあんたの人生の楽しみや価値観を鈴に押し付けたり、引きずり込もうとするのは、はっきり言って、大迷惑だ。」
『・・・。』
「あんたみたいな無責任な奴に、あいつの人生に口出しして欲しくない。いいか、あいつの人生は、俺の人生でもあるんだ。だって俺達は・・・少なくとも今はまだ、夫婦なんだ。お互いの人生のたった一人のパ-トナ-なんだ。あんたなんかと一緒の立場にされてたまるかよ!」
激しい言葉が、次々と口をついて出る。梨乃に対する憤懣が、相当溜まってんだなと、達也が我ながら驚いていると
『自分のだらしなさを棚に上げて、言いたいことばっかり、言わないで下さい。』
言われっ放しだった梨乃が、言い返して来た。
『私はあなたのことを、悪く言って、鈴とあなたの仲をどうこうしようとした覚えは全くありません。結婚に反対した覚えもない、まだ早いんじゃないの?もっと他の人を見てからでも、全然遅くないんじゃない?とは言いましたけど。そして今、現実にそうなりそうになってるじゃないですか?』
「・・・。」
『今回のことで、私は鈴を煽ったつもりなんか全然ない。私は鈴に相談されて、アドバイスを送っただけ。さっきも言いましたけど、私は友人として、鈴に幸せになって欲しいだけです。その為に、悔いのない選択をした方がいいよ、と言っただけです。確かに私は鈴に、あなたとこれからも一緒にいた方がいいとは言わなかった。でも、あなたと別れて、新しい彼と結ばれた方がいいと言った覚えもない。』
「・・・。」
『鈴があなたではなく、新しい彼を選んだのだとしたら、多分多くの非難を浴びるでしょう。それでも私は、彼女が自分の幸せの為に選んだ道なら、それが例え、世間の価値観を踏み外してたとしても、友人として応援して行きます。それ以上の思いはありません。私を今回の鈴の決断の黒幕みたいに言われるのは、はっきり言って迷惑です!』
そう言うと、梨乃は電話を一方的に切った。
(ふざけやがって・・・。)
梨乃の言い分には、腹が立った反面
(俺は所詮、鈴に直接、何も言えないで、いるヘタれ。結局、梨乃さんにやつ当たりしてるだけだよな。)
そんな思いも浮かぶ。
(俺って、ダサすぎるわ・・・。)
そう自嘲した達也は、大きくため息をついた。



