クールな野良猫男子には逆らえない。

「悠雅……?」


名前を呼ぶと、私の手を腕から離してぎゅっと強く握りしめる。
その間も、探るような眼差しが私にずっと向けられていた。


「……許してくれる?」


小さく首を傾げて問われれば、私は頷かないなんてことはできなかった。


「……うん。許すよ」


私が笑って頷くと、悠雅は緊張の糸が解けたのか、手を握ったまま私の肩に頭を預けた。
ずしっと肩が重くなったけど、今はその重みも心地よく感じる。


「しばらくこうしてていい?」


「いいよ」


短いやりとりの後、悠雅はそのまま寝息をたて始めた。
座ったまま眠るなんて、器用なことができるものだと妙に感心する。