クールな野良猫男子には逆らえない。

「誰から聞いたんだか知らないけど、別にやましいことがあってあいつと抱き合ってたわけじゃない。昨日、ほんとはあいつから悩みを聞いてたんだ。そしたら帰る途中で突然泣き出して、俺に抱きついてきたから、宥めるために抱きしめた。それだけだ」


悠雅は淡々と説明した。
だけど、私はまだ納得がいかなかった。


「それならどうしてほんとのことを話してくれなかったの?」


「あいつの悩みがかなり個人的なことで、自分が泣いたことも誰にも知られたくないって言うから……」


私の問いかけに、悠雅は困ったような顔で言葉を返した。