クールな野良猫男子には逆らえない。

田上くんがいなくなり、辺りに人の気配がなくなった。
静まり返る中、悠雅が口を開いた。


「あいつと何話してたの?」


不機嫌さを隠しもせず、眉根を寄せて私を見る。


私は何も悪いことはしていないのに、なぜそんな目で見られないといけないのだろう。
私の中から、行き場のない怒りがふつふつと湧き上がる。


理性がそれを抑えようと無理やり笑顔を作ろうとするけど、私は笑えなかった。


「悠雅には関係ないよ」


気付けば、そんな言葉が口をついて出ていた。
自分で自分の言葉に驚く。


……私は今、何を言った?