クールな野良猫男子には逆らえない。

「瀬戸さん」


スマホをしまった田上くんが、私の顔を覗き込む。
そして、真剣な眼差しを私に向けた。


「あいつのことはもう忘れなよ。あんなチャラチャラした奴、瀬戸さんには似合わない」


私は何も答えられなかった。


田上くんの言う通り、悠雅は私とは住む世界の違う人間なのだと、思い知らされたから。


だって、悠雅には美咲ちゃんがいるのに、他の女の子ともあんなことをするなんて……悠雅の考えていることが全く理解できない。


離れている間に一体彼に何があったのだろう。
昔の悠雅は、こんなことするような子じゃなかったはずだ。