クールな野良猫男子には逆らえない。

その時、ふいに悠雅と目が合った。
気まずくなった私は、すぐに目を逸らしてそこから立ち去った。


それにしても悠雅は、いくらモテるからって女子生徒に囲まれすぎではないだろうか。
悠雅には美咲ちゃんがいるのに……一体何を考えているのだろう。


そんなことを思いながら歩いていると、後ろから「瀬戸さん」と声がかかり、息を切らして私の前に進み出たのは、田上くんだった。


「……田上くん？どうしたの？」


あんなことがあったから、もう田上くんは私とは関わりたくないと思っているのではないかと勝手に決めつけていたが、どうやら私に何か用事があるらしい。