クールな野良猫男子には逆らえない。

……悠雅は、今頃どうしているだろう。


友達といっても、まだ女子と決まったわけではない。
だけど、悠雅のあの態度から、何となく男子ではない気がしていた。


美咲ちゃんがいるのに、他の女子と出かけたりしていいのだろうか。
今更、そんなことを思う。


ひとりで悶々と考えて、私には関係ないし、と思い直す。
しかし、気付くとまた同じことをぐるぐる考えてしまっていた。


そうやって無為に時間を過ごし、窓から夕陽が差し込んできた頃、インターホンが鳴った。


私はぱっとソファから身を起こし、乱れた髪を整えてから、通話ボタンを押す。


「はい」


「……俺だけど。開けて」


「うん」


オートロックを解除して、玄関へと向かう。