クールな野良猫男子には逆らえない。

まさか、あの子達と行くのだろうか。


美咲ちゃんとふたりきりよりはマシだけど……と考えて、このままでは自分が嫌な女に成り下がってしまうと危機感を感じた。


悠雅がどこで誰と何をしようが、姉である私に口を出す権利はない。
そう自分に言い聞かせた。


「そっか。いってらっしゃい。気をつけてね」


私はできるだけ自分の感情を悟られないように、いつもの癖で作り笑いをした。


すると、悠雅は一瞬不愉快そうな顔をして私を見た。
そして私の側に歩み寄り、テーブルに手をついて顔を覗き込む。