クールな野良猫男子には逆らえない。

帰り道、悠雅は無口だった。
その表情から何かを考え込んでいるような、深い葛藤が感じられたけど、私は何も言えず、ただ悠雅に寄り添って歩いた。


家に帰り、夕食を食べる頃には悠雅はもういつもの悠雅に戻っていて、私はほっとした。
けれど、悠雅が抱えているものが何なのか、どうして私に何も話してくれないのか、気になって仕方なくて、その夜はなかなか寝付けなかった。


悠雅には悠雅の事情があるのだろう。
だからすごく気になるけど、悠雅が自分から話してくれるまでは何も聞かないと決めた。
もしかしたら、それを聞くことで悠雅が私から離れていくんじゃないかと思って、怖かっただけかもしれないけど。