クールな野良猫男子には逆らえない。

……悠雅も、私と同じ気持ちでいてくれたんだ。


嬉しい気持ちと寂しい気持ちがない混ぜになり、胸の奥がきゅっと詰まった。


「……そうだね。私も、同じこと考えてた」


悠雅は私を振り向いて少しだけ目を見開く。
私はそんな悠雅に向けて微笑み、立ち上がった。


「帰ろう、悠雅。うちに帰れば、ずっと一緒にいられるよ」


家での悠雅を知るのは、この学校で私ひとりだけ。
私は自分にそう言い聞かせて、椅子から立ち上がった悠雅とともに教室を出た。