クールな野良猫男子には逆らえない。

悠雅は普段どんなふうに学校生活を送っているんだろう。
私の知らない悠雅の顔を、美咲ちゃんはたくさん知っているんだろうな……。


どうしてか、美咲ちゃんのことを思うと私の心は曇り空みたいな鬱々とした色合いに変わっていく。


そんな私の変化に気付いているのかいないのか、悠雅が話しかけてきた。


「ねぇ、この席って誰の席?男子?」


私は慌てて思考の海から顔を上げた。


「うん、そうだけど……」


私がそう答えると、悠雅は急に眉根を寄せ、不機嫌な表情になる。