クールな野良猫男子には逆らえない。

私が悠雅に歩み寄ると、悠雅は教室内を見渡しながら中に入り、何かを探すように首をめぐらせる。


「あんたの席、どこ?」


「私の席?」


なぜそんなことを聞くのだろう。


不思議に思いながらも、私は自分の席に戻って机の上を軽く叩いた。


「ここだけど」


悠雅はこちらに近付き、何を思ったのか私の隣の席の椅子を引き、その上に腰を下ろした。


「悠雅?」


「あんたも座って」


私が指示された通りに自分の席に座ると、悠雅は机に頬杖をついて私を満足げに見つめた。