クールな野良猫男子には逆らえない。





その日の放課後のことだった。


先生に頼まれた用事を終えて教室に戻ると、生徒達はもう帰ったのか室内には誰もおらず、静まり返っていた。


今日は帰りにスーパーに寄って食材や日用品を買い足そうと思っていた。
急いで帰る支度をしてスクールバッグを肩にかけ、教室を出ようとした時だった。


「もう帰んの?」


開け放たれたドアの向こうで、悠雅が興味深そうに教室内を覗いている。


「悠雅?どうしたの?」


わざわざ私の教室に来るなんて、何か用事でもあるのだろうか。