クールな野良猫男子には逆らえない。

やがて彼がこちらに気付き、私に一瞬だけ視線を向けて、すぐに逸らした。


……ああ、やっぱり駄目なんだ。


私は彼の態度に酷く落胆した。


そんな自分を表には出さないようにして、彼の横を通り過ぎ、レジへと向かう。


支払いを終えて店を出る時、もう一度だけ彼を振り返るが、彼の姿はもうそこにはなかった。


ーー碓氷(うすい)悠雅(ゆうが)


かつて私の、弟だった少年だ。