クールな野良猫男子には逆らえない。

「……ここじゃちょっと……場所変えてもいいかな」


田上くんが遠慮がちに提案し、それに頷いた私は田上くんとともに中庭に移動した。


昼間でも人通りのない中庭の隅に辿り着くと、田上くんが私を振り返った。


「瀬戸さんが、好きです。俺と付き合ってください」


田上くんは頬を真っ赤に染めて、私を真剣な目で見つめながらそう言った。


「……えっと……」


まさか本当に告白だとは思わず、私は初めて男の子に好きだと告げられて、石のように身体が固まって動けなくなった。


好きだと言ってもらえるのは嬉しい。
けれど、私は田上くんのことを何も知らないし、いきなり付き合って欲しいと言われても困る。


でも、私は田上くんのような純朴そうな男の子を傷つけたくはなかった。


すると、どう答えるべきか迷っている私の背後から、突然腕が伸びてきて私の肩にまわされた。