クールな野良猫男子には逆らえない。

廊下に出ると、見覚えのある男子生徒が緊張した面持ちで私を待っていた。


確か、中学の時に同じクラスになったことがある。名前は、田上(たがみ)くんだっただろうか。


「田上くん、話すの久しぶりだね。今日はどうしたの?」


私はいつものように笑顔を作って田上くんを見た。


田上くんは華奢で、まだあどけない顔立ちをした優しそうな雰囲気の男の子だ。


田上くんとは一度席が隣同士になっただけで、特に親しかったわけでもない。
同じ高校に入学したらしいとは聞いていたけど、クラスが離れていたから言葉を交わすことすらなかった。


それなのに、急にどうしたのだろう。
まさかさっきの女子生徒が言うように告白のために呼び出した……なんてこと、あるはずがない。
私は自分が男子から人気がないことを自覚していた。