クールな野良猫男子には逆らえない。

「……悠雅……?」


「……今日は、このまま眠らせて」


悠雅の髪から、私が使っているのと同じシャンプーの香りがする。
力強い腕の感触に、改めて悠雅がもう子供ではないのだと思い知らされる。


私は頷くかわりにおずおずと悠雅の背に腕をまわし、伝わる温もりに安心して、目を閉じた。





そんな日々が数日続き、私は徐々に悠雅との生活に慣れていった。
悠雅は普段はとてもクールだけど、寝る時だけは絶対に私を離さない。そのうち、悠雅は私に背を向けて寝ることがなくなり、かわりに私を抱きしめて寝るようになった。
私も悠雅に抱きしめられると安心するから、拒むこともないんだけど……姉弟として、こんなことをしていていいのかという疑問も湧いてくる。


悠雅には美咲ちゃんという立派な彼女がいるのに……姉とはいえ、他の女を抱きしめて眠るのは、美咲ちゃんに対する裏切りではないのか。


そう思ったけど、悠雅に抱きつかれるとどうしても突き放すことができない。
今や、私の世界は悠雅を中心に回っていた。