クールな野良猫男子には逆らえない。

「……どうしたの?」


悠雅を見上げると、彼は少し小首を傾げて恥ずかしげもなく言った。


「新婚さんみたい」


その言葉に私はみるみる顔が火照っていくのを感じて、それを悠雅に悟られまいと慌ててキッチンへ向かった。


「冷めちゃったから温め直すね。悠雅は着替えてきて」


ハンバーグと目玉焼きの乗ったお皿を電子レンジに入れながら、私はふう、と吐息を漏らした。
まだ胸がドキドキしている。
いくら弟とはいえ、あんな端正な顔立ちの男性にああいうことを言われると、どうしても意識してしまう。


「いけない……悠雅は弟なんだから……」


ブツブツと独り言を呟いていると、陽気な音楽を流しながらレンジが止まった。
温め終えたハンバーグをレンジから取り出し、次いで自分の分もレンジで温める。


私がお皿を持ってリビングに戻ると、ラフな格好に着替えた悠雅がすでに椅子に座って待っていた。