クールな野良猫男子には逆らえない。

「彼女」と口にする時、浮かべた笑顔が引きつるのを感じた。
しかし、悠雅はなぜか不愉快そうに顔を歪ませる。


「は?何言ってんの。彼女なんか外野に決まってんだろ。そんなもんよりも、あんたのほうがずっと大事だ」


「……悠雅……」


悠雅の言葉に、荒んでいた心が静まっていく。


大事だなんて、生まれて初めて言われた。
それはとても甘美な響きで、私の空っぽの身体を駆け巡り、優しく満たしていった。


悠雅は照れくさそうに頬を染めながら、それでも私から視線を外そうとしない。
自分のことをこんなに真剣に考えてくれる人がいることに、私はようやく気付いた。


「……ほんとは私、嫌だった。釣り合わないとか、そんなこと言われたくない。私は悠雅のお姉ちゃんとして、ずっと悠雅の側にいたいの……」


涙を堪えながら、ずっと押し隠してきた本心を口にする。


悠雅は私の腕を離し、ぎこちない手つきで私の髪を撫でた。