クールな野良猫男子には逆らえない。

午後から、突然の雷雨になった。


「げ、傘持ってきてないよ〜」


昇降口で、菜々が空を見上げながら呟く。


「傘あるよ。使って」


私は菜々に折り畳み傘を差し出した。
菜々は嬉しそうに傘を受け取り、ぱっと開いてこちらを見る。


「ありがと、柚華。一緒に入るでしょ?」


「あ、大丈夫。小さい傘だから、二人で入ったら菜々が濡れちゃうよ。私はそこのコンビニでビニール傘買ってくるから」


私はスクールバッグを濡れないように胸に抱きしめ、雨の中を走り出す。


「え、ちょっと柚華!?」


「またね、菜々!」


後ろで菜々が何か叫んでいるが、雷の音がうるさくてよく聞こえなかった。


私はそのまま近くのコンビニまで走った。
びしょ濡れになったが、菜々が濡れて風邪をひくよりはずっといい。