「え、夕飯食べてないの?」


私はお風呂から上がった悠雅の髪をドライヤーで乾かしながら、目を瞬かせた。


なぜまた悠雅の髪を私が乾かしているのかと言うと……


今日はお風呂に入りたくないと言う悠雅を無理やり浴室に連れて行き、悠雅がまた来てくれるんじゃないかと思って密かに探し出しておいたお父さんのお古のTシャツとズボンを洗面所に置いた。


そして悠雅がお風呂から上がるのを待っていたら、洗面所から出てきた悠雅はやっぱり髪を乾かしておらず、私に「あんたがやって」とドライヤーを差し出した。


子供みたいだな、と思いつつ私は悠雅の柔らかい髪に触れるのが好きだったので、特に文句を言うこともなくそれに従った。
そして、沈黙が気まずくて何となく「夕飯何食べたの?」と聞いたら、「別に何も」と返って来て、驚いて聞き返したのだ。