悠雅は私の手からカップを奪うと、ちびちびと飲み始めた。
やっぱり、悠雅は猫みたいだ。


「……それで、今日はどうしたの?」


ずっと気になっていたことを聞いてみる。


悠雅はしばらく黙り込んだ後、カップをテーブルに置いて言った。


「しばらく泊めて」


……どうやら、詳しい事情を話すつもりはないらしい。


でも、私は悠雅を拒絶なんかできなかった。
幸い、お母さんは出張で留守だし、私も一人よりは悠雅がいたほうが気が紛れる。


「いいよ」


私の言葉に、悠雅は少しだけほっとしたように目を伏せた。


こうして、私と彼の同居生活が静かに始まった。